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“われもこう”の想い その62「ファンタジア アンド バード」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和5年3月30日 その62「ファンタジア アンド バード」

われもこうの想い53で紹介した大谷文雄さんが、創画展に応募し、見事入選しました。今回の入選作は、彼の大得意な「鳥」を描いた作品です。下記の日程で入選作品が展示されます。

第49回東京春季創画展
4月12日(水)~16日(日)
西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
午前10時~午後8時 入場は各日閉場の30分前まで
※最終日4月16日(日)は午後6時に閉場
210点の応募
春季展賞が6名 入選105名

大谷さんは、ずっと鳥を描いてきました。彼の描く鳥の目がとても印象的です。真っ直ぐ視線を向けている向こうには何があるのだろう?と思わせる目をしています。
ある時は、豊島園の閉園前の最後の花火を見つめていたり、われもこうを見つめていたり‥。
今回の作品は、持ち込みの朝に彼とすれ違ったのですが、絵は梱包されていたので写真を撮ることができませんでした。是非、会場に足を運んで頂き、観て頂けたらと思います。
今回は、想像の鳥を描いたとのこと。桜島の噴火を見つめている自分自身だそうです。
想像の鳥なので、題を「ファンタジア」にしたそうです。

三井ガーデンホテルに展示された作品

あかねの会では、コロナ禍が始まり、作業で手がけた作品を売る機会が減り、販売会なども中止が相次ぎ、作品の在庫が増えてしまったので、従来の作品を作り続ける訳にいかなくなりました。
そこで、新たにアートに取り組むようになりました。
アートは、「作業」とはどうしても違うので、決まりきった作業に取り組んでいた人たちは、最初は戸惑いも大きかったようです。
でも大谷さんの様に、自分らしい表現ができることに喜びを感じ、才能が開花していく人が増えていくことに驚きました。また新たな彼らの可能性の発見に、従来の「作業」だけを通して日中活動を過ごすというスタイルから、作業の時間にアートに取り組むB型事業所も増えてきました。

日中活動の内容をどうしていくか?という大きな課題につながっていきます。
決まりきった手順で作業をすることが得意な人たちは、従来のチラシの丁合、袋入れなどの作業や駐車場の清掃を続けています。
一方、アートでの関わりで、名画の模写や季節ごとの小物作りを通して、独自な才能を育むことができてきています。
そのことについては、われもこうの想いに何回か取り上げています。
ご参考までに読み返して頂ければと思います。

【われもこうの想い】
27 障害者アート
31 アーティストまた誕生
46 アート作品が各所に展示
53 パラアートの広がり
58 大谷さんに続き新たなアーティスト誕生

吉田 由紀子

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