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“われもこう”の想い その27「障がい者アート」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和3年10月15日 その27「障がい者アート」

コロナ禍で仕事が減り、B型事業所の仕事をどうするか?大きな課題になりました。中心的に行っていた刺繍やさをり織りの製品も、販売会が次々と中止になり一般のお客様の目に触れ、手にとって頂く機会も減り、作品がダブついてしまい、以前のように刺繍やさをり織りを一日中やっている訳にもいかなくなりました。以前から、心の鐘コンサートのときに展示したり、カレンダーの作品として募集するために、絵を描いたり、絵手紙の活動に取り組んでいましたが、それまで以上に絵やアートに取り組み、自分たちの作業所内の装飾に当てたりする時間が増えました。

そんな時、理事の松本さんから、三井ガーデンホテルのロビーのハロウィンの装飾を依頼されました。

昨年の10月が最初の依頼でした。みんな嬉々として作品作りに取り組みました。自分たちの作品が工賃になるなんて、今までは考えられませんでした。自分たちの作品が大勢の人たちの目に触れ、それが更に収入につながる!それだけでも画期的なことです。そして、更に今年の4月に再オープンした光が丘のカフェレストランでも、テーブルに飾った彼らの絵が好評で、先日も、子供が塗り絵に使いたいから売ってほしいというお話をお客様から頂きました。

 

私たちにはそんな発想がなかったので、本当に嬉しくて、すぐ数枚コピーした画集的なものにして販売を始めました。

障がいのある彼らが、大好きな自動車や電車の絵、確かに丹精でよく見て描いているなと感心していましたが、まさか、子供がその絵が大好きで「塗り絵をしたい」と言ってくれた! 予想もしなかった展開に、彼らの活動をより多くの人たちに知って頂けるよう、更に工夫と活動をして行かなければと感じました。

彼らの絵を一般の人たちの目に触れる場所に展示して、関心を持って下さるだけでも、大きなつながりの始まりと感じました。そして、更にその絵を手元に置いて活用して下さることで、その繋がりがより太くなり、広がりも大きくなっていくのではと思いました。更に、松本さんの関連で、川口の倉庫街の中にある三井の倉庫のトイレにアートをというお話を頂きました。こちらは四季毎に作品を入れ替えるということで、アート作りに掛ける時間が大幅に増えました。又、支援員も工夫に工夫を重ね、今まででは想像もできなかった作品が生まれていきました。

 

例えば、クリーニングの作業で仕上がり品をくくってあったカラーテープを伸ばして、彼らの絵を切り抜いてステンドグラスのように貼ったり、トイレットペーパーの芯を活用して、ハロウィンのコウモリを作ったりなどなど。

 

環境問題を彼らと共に考えていけるような作品作りです。又、同一品を量産しなければならない作業とは違い、一つひとつ、自分の工夫で取り組んだものが世界で一つだけの作品になっていく醍醐味を彼らも感じてくれていると思います。

このアート製作を通して、私たち支援者側にも以上のようないろいろ気付き、学びがありました。以前からの同様な製品作りからだけでは気が付かなかった彼らの得意技や、好きなことには集中できる力などなど‥。

これからも彼らの能力の限度を勝手に決めつけず、いろいろな可能性を探っていく活動をしていく支援を目指していきたいと思います。

吉田 由紀子

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