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“われもこう”の想い その86「スピーチクラブの発表会~令和6年3月16日~」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和6年4月23日 その86「スピーチクラブの発表会~令和6年3月16日~」

余暇支援部の活動として、スピーチクラブは、12年前にスタートしました。
早口で、話したいことはいっぱいあるのに、何を言っているのかわからない人が多く、伝わらない悔しさを抱えている彼ら、何を言おうとしているのか理解できない私たちのもどかしさを見ていて、何とかして、自分の思いを他の人たちに伝わるようにしていきたいという想いを知って、スピーチクラブを立ち上げることになりました。
自分の話したいことを、書き出してもらうと、予測以上に深く、いろいろなことを考えていることに気付かされました。
又、想いを言葉にすることが難しい人も多く、表現の方法から、教えていく必要もありました。
発音が明瞭でないと伝えたいことも伝わりません。発音については、かなりの時間をかけて、支援を続けました。
・発音
「ぱ」「ば」「ま」行の、両唇を閉じて発音する音、「た」「だ」「な」行の、上口蓋に舌をあてた後すぐ離して出す音、ら行の様に舌を動かして出す音など、丁寧に教えていけば、かなり、発音が明瞭になっていきます。
・文章
伝えたい内容を文にできず、単語だけの表現になってしまう人が多いので、「いつ」「どこで」「何が」「どうした」の文章構成をしっかり身につけることを支援しました。

この二点を集中的に支援するだけで、かなり、彼らの言いたいことが、明瞭に伝わる手応えが出てきました。
まず、話したい内容をしっかり整理しながら、文字で書くことから取り組みました。

彼らの想いは、各方面にわたって、かなり豊富であることがわかりました。でも、なかなか、何を伝えたいのか、出てこない人もいました。

そこで、まず自己紹介をきちんとできるようにすることを目標にしました。
自分のことをどう伝えるか?
自分の名前、漢字の説明、名前の由来なども家族に聞いたりして、文章にしてもらいました。
自分の仕事のこと、趣味なども、自分のことを知ってもらうために、詳しく表現できるように手伝いました。

成果も上がってきたので、8年前に、初めてカフェレストラン光が丘公園店で、発表会を持ちました。
みんなの文章も、一冊の冊子にまとめました。

5年前に2回目の発表会と、2冊目のスピーチ集も出しました。
去年、毎回、光が丘のイマホールで行っている音楽交流フェスタの司会を初めて任されました。
みんな、とても大張り切りで取り組みました。あんな大舞台で、交代でしたが、司会進行を任され、自信がついたようです。

音楽交流フェスタ司会

そして、今年の3月16日に、第3回目の発表会と、スピーチ集3集目も出しました。
発表会には、ご家族、発達支援部の非常勤講師の方達も大勢来てくださり、彼らの発表する姿を、発表の音声を含めビデオ撮影されているご家族が多いのに驚きました。

第3回スピーチ発表会

こんなに堂々と、しっかり発表する姿にご家族が感激、感動される気持ちが、ここまでの過程を知っている私たちには、よくわかり、まさに共感しました。
これからもあきらめない支援をしていかなければと思いました。
彼らの成長した姿が、私たち支援側のやる気を引き出してくれていると感じました。

今回の発表会の後、スピーチの発表会は、毎年やりたいという声も利用者から出てきました。
事務局長からも、是非と背中を押して頂き、彼らの生き様を大勢の人たちに見て頂く機会を積極的に増やしていく方向で考えていきたいと思い始めました。

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