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“われもこう”の想い その10「ぶどう狩り」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和2年10月19日 その10「ぶどう狩り」

毎年、イチゴ狩りや、ぶどう狩りなど、あかねの会では、心の鐘後援会がバス代の補助を出してくださり、利用者の人たちが楽しみにしている行事が盛り沢山あります。

今年も計画としては、例年通り沢山立てたのですが、コロナ感染予防のための自粛で、出かける企画は全て中止せざるを得ず、毎日、利用者の人たちの嘆きの声が聞こえてきました。
何とか、密を避けて実施できないものかと、余暇支援部が頭をひねり、ぶどう園などにも問い合わせ、入場制限内での実施が可能?というところまではきたのですが、どうやって、そこまで出かけるのか?
いつものようにバスを借り上げて乗っていけば楽しいでしょうけど、密状態になります。そこで、電車で小グループに分かれて出かけようということになりました。

ところが、バスにみんなを乗せていくと一回で済むのが、三回に分けての実施になりました。
私も、3人の支援員の人と一緒に、12人の利用者と出かける回を担当しました。練馬駅に集合して、西武線に乗り、電車の中ではおしゃべりしたい人たちに我慢してもらい横瀬まで行きました。

駅から、ぶどう園まで歩きました。武甲山を見ながら、白いそばの花畑や、黄金色の稲穂にビックリしながら歩きました。赤トンボもいっぱい飛んでいました。
20分ほどでぶどう園に着き、巨峰のぶどう狩りが始まりました。大粒のぶどうは、房を切ったら、全部食べきらなければなりません。ぶどう園の方は、「皆さん、三房くらい食べられます」と言われていました。本当に一粒が大きくて食べ応えがあります。でも、みんな黙々食べていました。何と、六房も食べた人が3人もいました。私もその時、五房食べていて、もう少しと思っていたのですが、お昼ご飯にわらじ豚カツが頭に浮かび、そこまでにしました。

口の中にぶどうの甘い香りがまだ広がっている気分で、今度は、西武秩父を目指して歩きました。
田んぼの周りにニラの花が凛と咲いていたり、東京では見ない風景が広がっていました。トンボがたくさん、飛んでいたので、私が思わず、音楽クラブで練習している「パプリカ」を歌うと、みんなも一緒に歌い、最後の「かーかと はずませ この指 とまれ」と、歌いながら、みんなで指を立てました。トンボがいっぱいとんでいるのに、一匹も止まってくれず、みんな残念がって「トンボ止まってくれない」と言いながらも笑顔が溢れていました。

 

西武秩父に着いて、フードコートに入り、おなかいっぱいの人はおそば、まだまだ食べられる人は、わらじカツ丼を購入して食べていました。
昼食を食べ終わる頃、私の周りにいた女子3人が「秩父に来たのだから、味噌ポテト食べたいな」と言ったのにつられて、みんなで味噌ポテトも食べました。
その後、お土産屋さんを覗いて、それぞれお土産も買い、駅前で記念撮影をしました。巨峰ソフトクリームを見つけ、思わず私が食べたいなと言うと、しばらく考えて「これ以上太ったら困るからやめときます。」と一人がいうと、「私もやめときます」「私も」と言われてしまい、私だけ食べるわけにいかず我慢しました。ダイエットも考えながら、でも楽しく秩父のぶどう狩りが終わりました。

いつも、バス二台でカラオケを楽しみながらの行事に慣れていたので、こんなスタイルはどうかな?と心配しましたが、歩いたりして移動時間をゆっくりかけると、今まで気がつかなかったものにも気づき、新しい発見や楽しみがあるということに気づかされました。利用者の人たちにも、バスを使わない行事はどうか聞いてみたところ、「電車も楽しい」「いろいろ見れて良かった」と言ってくれました。
コロナで全て今まで通りできないと嘆くより、今までにない楽しみ方を見つけることができて良かったと思いました。

吉田 由紀子

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