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“われもこう”の想い その11「ハロウィンの飾り作り」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和2年10月28日 その11「ハロウィンの飾り作り」

   

理事のMさんから、あるホテルのハロウィンの装飾の仕事を作業所で引き受けてくれないかという依頼がありました。全く経験のないことでしたが、面白そうだなと思い、即断で引き受けました。カボチャは、さをり織りの生地を使って作ってみたら面白そうだな程度の発想しかなく、就労支援室に依頼してみました。就労支援の部長のKさんが、花屋さんに勤務経験があり装飾のセンスの良さを持っていたので託しました。

利用者の人たちに、カボチャの絵を描いてもらったり、さをりの生地でカボチャを作ってみて、その中身は、バザーの古着を切って詰め込むなど、支援員さんたちもいろいろアイデアを出して、毎日の作業に生き生きと取り組んでいて、時々覗く私まで楽しくなるような光景でした。

支援員さんのアイデアで、グルーガンでクモの巣を作ったら、それを見て、クモ🕷も作ろうとある利用者が言い始めたとのこと。何かを見て、次々とアイデアが出てきて、楽しく作業に精を出している姿を見るのはとても嬉しいです。

また、手にマヒがあり、細かい針仕事はとても無理かなと思っていた50歳代の男性利用者が、意外や意外、上手に針を持って、カボチャを縫っていくのにビックリ‼️

こんな特技があったなんてと、大いに褒めてたら、照れながらも本人は更に頑張ってカボチャを作ってくれました。今まで通りのこれならできるだろうと言う作業をやり続けていたら、気がつかない側面を発見できました。冒険でしたが、いつもこれならできそうと言う仕事だけをしていないで、思い切って、新しいことをやってみることの大切さを感じました。

10月の2週目にはホテルに作品を持って行き飾り付けをしました。本当は全員で行きたかったのですが、千葉のホテルなので、数人を車で連れて行き、飾り付けてきました。

自主製品作り以外の仕事と言うと、定型の物を作る仕事が殆どですが、今回のような仕事は、本当に楽しみながらでき、利用者さん自身からもアイデアが出てきて、意欲的に取り組める仕事でした。専門的な技術を持った支援員さんがいて、方向性とまとめることができないと難しいでしょうが、本当にありがたい仕事でした。何より、彼らの作った作品が一般の人たちの目に触れる場所に置かれるということの意味は大きいと感じます。ノーマライゼーションだとか、障害者差別禁止法だとか声高に言われても、実際には彼らは一般の人たちの目に触れる場所に出ることは少ないし、彼らの時間をかけて作った製品が一般の人たちの目に触れ、使ってもらえることも、まだまだ、少ない現状です。

こんな仕事がもっと舞い込んできて、彼らの作った物が一般の人たちに見てもらえて、当たり前に使ってもらえるようになって欲しいなとわれもこうは願っています。

吉田 由紀子

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