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“われもこう”の想い その6「合唱の取り組み」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和2年8月27日 その6「合唱の取り組み」

日中一時支援「ひだまり」で、音楽クラブの活動を月2回土日曜日に行っています。日中一時支援の事業にする前からの活動で20年以上の実績があります。
現在、小学生から、就労している人、グループホームの人たちまで50人以上のメンバーがいます。
コロナ禍により、全員が集まっての練習は不可になり、5月から、数人でフェィスシールドを被ってもらっての練習を再開しました。
50人を一度に教えるなら、2時間で済んでいたのが、8グループに分け、一グループの時間を短縮しても、朝9時半から夕方までかかります。その間、ずっと声を出しているので、さすがの私も終わると声が枯れてしまいます。でも、一人ひとりの間違っていた所や苦手な所、逆にこんなにしっかり歌えていたのかなどの発見がたくさんありました。

個別でじっくり関わる大切さを改めて感じる良い機会でした。全員で歌っていると何となく歌えていると思っていたのが、実は‥男女パートを全て歌ってしまっている人が相当数いたこともわかりました。
一部分違う音程を覚えてしまって歌っていたりするところもありました。そこのフレーズだけ覚えるまで何度も一緒に歌うと確実に覚えていきます。でも、二週間後また、忘れていて前と同じように歌っていて「ああーっ、もう」と思うことを何回も繰り返し、確実に歌えるようになって来ました。通常の合唱団なら、譜読みはできて表現の所に力を入れているだろうにと思いながら、彼らは譜を読むことが難しいので、全て聴いて覚えていくので、歌えるようになった時には、暗譜して歌っています。

練馬区のユニバーサルフェスタに出演したときや、今年、初めて練馬区の成人式に、従来の一般の合唱団に加えて出演させて頂き、大地讃頌や練馬区の歌を歌った時、全部暗譜していて凄い!と言われ、私は一人で苦笑いしてしまいました。彼らは譜が読めないから耳から覚えているだけなので。でも、その強みがあるのだと気付かされました。彼らは、暗譜できているので、いつでも、どこでも歌えるのです。何年も前にやった曲を久し振りに歌った時、何としっかり覚えている‼︎とビックリさせられたことが何度もあり、その歌が彼らの身に染みついているのだと感じました。
そして、斉唱ではなく、二部、三部合唱で、自分たちの声がハモっているということを誇りに思っているということにも気づかされました。

学校を卒業して、音楽を楽しむと言ったら、カラオケで流行りの歌を歌うことがほとんどのように思えますが、私の中学校の時に担任した卒業生が中学の時のように合唱をしたいといってきたことから、この音楽クラブを創ったのですが、その彼が音程の指導をしていると、ハモっている筈と言い、合唱することにプライドを持って取り組んでいることがわかりました。
ですから、私も知的障害だからこの位しか歌えなくて仕方ないとは妥協しません。音程が取れ始めたら、その言葉の意味に沿った表現を伝え、構音ー発音の仕方もきれいに聞こえるまで指導します。
「まぶしい光が、君の名前を呼ぶ」という歌詞の時にまぶしいとは?どういうことか?全くまぶしくない顔をして歌っていたら、何回もまぶしいという感覚を思い起こしてもらいます。
「まぶしい」の発音も「ま」と「ぶ」という両唇音を丁寧に教えていきます。「われもこう」の「わ」も、「う」の口形からしっかり出してもらいます。
とはいえ、まだまだ人に聞いてもらいるレベルになるまでは非常に時間がかかります。

毎年、行っている心の鐘コンサートも今年で23回になりますが、前より上手になったわねという声に励まされてやって来ました。
今年は11月27日金曜日夜に、練馬文化センターで第23回心の鐘コンサートをやる予定で練習に取り組んでいます。

しかし、このコロナ禍で開催も危ぶまれています。無観客でも実施して、ホームページに配信し、彼らの思い、歌声を発信したいと思っています。毎年の楽器演奏も練習を始めました。フルート、コルネット、クラリネットそれぞれの練習の成果も是非見ていただきたいと思っています。

テーマは、オリンピックの年だからと彼らが話し合って「世界を一つに」と決めました。オリンピックはどうなるかわかりませんが、このコロナ禍だからこそ、世界が一つになって乗り切っていきたいと思います。

吉田 由紀子

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