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“われもこう”の想い その82「グループホームのお正月旅行」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和6年2月2日 その82「グループホームのお正月旅行」

今年は、1月1日に能登半島地震、2日には羽田空港飛行機火災と大きな事故が続きましたが、グループホームの旅行は事故にも合わず、無事終えることができました。

12月31日、われもこうビルに8時15分集合なのに、7:30頃に集まり出しましたと、付き添っていた支援員から連絡があり、慌ててわれもこうビルの鍵を開けに行きました。旅行をとっても楽しみにしている気持ちの表れかと思います。
今回は、25名参加、引率5名計30名で、バス一台借り上げ、栃木県周辺に出かけました。
最近、他の団体のグループホームから転寮して来た人が二人いたので、出発後、すぐに全員の自己紹介をしました。毎年、いろいろな機会に自己紹介をすることも多いので、わりとスムーズに終わり、今日の行き先と見所について、少し詳しく説明をしました。

一日目は、東武動物公園に行きました。東武動物公園は、珍しいホワイトタイガーがいることで有名な所です。ホワイトタイガーは世界でも250頭しかいないとのことです。ホワイトタイガーの目がアイスブルーと紹介されていたので、よく見て来ようとバスの中から話していたので、みんなの関心も高かったです。


アイスブルーと言われている目の色が淡い水色で、とてもきれいでした。その全身の白さに感動した様で、ホワイトタイガーの檻の前で、ほとんどの利用者が釘付けで、少しホワイトタイガーが動いただけで、自分たちも追いかけて動くという見方をしている人が大勢いました。
東武動物園で昼食後、渡良瀬遊水地に向かいました。ここのそばに、三歩で三県を跨げる、「三県またぎ」と言われる場所があるので、まず、バスを降りて三県またぎに向かいました。

最初の一歩が今いる栃木県、二歩目が群馬県、三歩目が埼玉県、四歩目で栃木県に戻れるということで、全員に一人ずつ歩いてもらいました。
その後、渡良瀬遊水地の一部ですが歩きました。一周すると、栃木・群馬・埼玉・茨城の四県にまたがる面積33km²、総貯水容量2億m³の我が国最大の遊水地なので、遊歩道のついている4分の1を歩きました。私の万歩計で、16,000歩ほどになりました。就労している人でも「仕事よりきつい!」と言いながら歩いていました。

湖から流れてくる気持ちのいい風につられて、走り出す人も3人ほどいました。遠く日光連山が見え、東京では、こんなに見える限り建物がない場所なんて本当にないので、大空を見上げ、大自然の中にいる小さな自分を感じたことと思います。
その後、足利にある温泉に入り、三日間泊まる藪塚温泉の宿に到着しました。あかねの会以外には、一名のお客様だけで、ほぼ貸し切り状態です。ホテルとは違い、大広間に全員が集まって食事を一緒にします。彼らは、慣れたもので、早速、宿の人の配膳を手伝い、紅白歌合戦が始まる頃には食事も始められました。食後の片付けも率先して何人かの男性が動くと、女性でも動く人が増えていきました。
そして、恒例の紅白歌合戦を見ながらの「爪切り」も開始しました。毎年の如く、普通の爪切りでは切れないほど分厚くなった爪の人が何人かいて、切れないまま伸びて、靴に当たって痛いのでは?と思う人が数人います。それでも、毎年、自分で切れる人が少しずつですが増えてきています。
11時過ぎまで紅白歌合戦を見ていた人が、例年より多く10数人いました。紅白が終わると満足げな様子で部屋に引き上げていきました。
その後、例年通り、職員はガランとして寒々とした大広間で、1日の振り返りや明日の打ち合わせをしました。

二日目は元日です。今回は海から遠いので、初日の出を見に行くこともなかったのですが、廊下ですれ違う時に「あけましておめでとうございます」と元気よく挨拶を皆さんがしてくれて、新しい年が始まったと感じました。
午前中は、足利にある織姫神社に初詣に行きました。登りの階段が229段あり、見上げるような感じだったので、足の悪い二人は駐車場の隣にある八雲神社に初詣をしてもらい、後の人たちは黙々と階段を上がり、本殿まで辿り着きました。足利の町が眼下に広がる場所でした。織姫〜天の川に因み、縁結び神社としても参拝されるそうです。


女坂の方は七色の鳥居が立っていました。

午後は多々良沼に行きました。この時期に、シベリアからコハクチョウがやってくることで、有名な所です。

コハクチョウは用心深く、遠くでしか見ることができませんでしたが、大自然の雄大さと清々しさを感じました。


その後、イルミネーション日本一に連続7年輝いた足利フラワーパークに向かいました。
4時まではフラワーパークの普段の園に入園し、イルミネーションの仕掛けを眺めてまわりました。一旦、4時に全員園外に出され、4時半にイルミネーションの点灯と共に再入園ということでバス内で待機していた所、携帯の警報があちこちで鳴り、バスが大きく揺れ始めました。震源は能登半島ということで、栃木県には影響がないことがわかりホッとしました。
予定通り4時半に再入園して、イルミネーションを楽しみました。




その後、温泉に寄ってから宿に帰りました。夕食の時、能登半島の地震のことを詳しくニュースで見て、心配する人が多かったです。とりあえず、旅行行程はそのまま進められると判断しました。

三日目は宇都宮まで出向きました。大谷石の資料館と採掘跡の見学をしました。採掘後に結婚式場が設けられていたり、ライティングしてあったりと見どころ満載でした。

その後、宇都宮の餃子を食べに専門店に向かいました。餃子自体は珍しくないと思いますが、デザートにキウイ餃子が出て、ビックリ‼️ そのフルーティな美味しさにも、本場宇都宮の餃子を感じました。
ゆっくり温泉に入り、宿に向かいました。

四日目はこころみ学園に向かいました。知的障がいの人たちが100人ほど暮らしている施設ですが、ワイナリーが併設されていて、山の中にあるのに大勢のお客様が来てくださる場所になっています。ワイナリーの見学コースもあり、洞窟の中で寝かされているワインを見学した後、ぶどうジュースの試飲もしました。赤、白、酢と3種類の試飲をしました。
その後、園生が毎日登っているというブドウ畑(山)に登る元気な人が半数いました。山を見上げて、登るのはきついかな?と思った人たちは、創設者の川田先生とここで暮らした園生のお墓にお参りをしました。

今回は結構見所のある所が多く、感動を共にしたことも大きな楽しい思い出になりました。予定通り3時過ぎにはわれもこうビルに戻り、小遣い帳のチェックも終え、4時には全員元気に解散しました。

でも、その夜辺りから具合が悪くなり、熱が出たり、吐いたり、下痢をしたりという症状が出た人が増え続け、支援員も含め、30人中、14人がそんな症状を訴え、翌日からの支援室を休みました。保健所にも相談をして検査をしてもらった所、6人からノロウイルスが検出されました。
今後も、まだまだコロナやインフルエンザなども気が許せない状況が続いているので、いつでも対応できる様に、関東近県の範囲で考えていかなければならないと思いました。

いろいろありましたが、感動を共にするということは、お互いの絆、仲間であるという想いを強くするということを、又、今年もしっかり確認させてもらえました。

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