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“われもこう”の想い その8「地域に開かれたカフェレストランわれもこう光が丘公園店」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和2年9月25日 その8「地域に開かれたカフェレストランわれもこう光が丘公園店」

カフェレストランわれもこう光が丘店は、7年前に区がレストランの業者を公募した時に、あかねの会が手を挙げ20社ほどの中から選ばれて始めました。
レストランの経験が3年以上ある業者なら資格があるということで、われもこうビルの一階のレストランわれもこうが丁度3年経った所だったので、障害のある彼らが地域の人たちが集まる場所で働いてほしいという思いで手を挙げました。
殆ど、本格的なレストラン経営のノウハウもわからず、素人が始めた様なもので不安でいっぱいでした。そこで、就労支援室から就職させて頂いたあるホテルの会長職まで勤められたMさんに経営方法を教えていただこうと思い顧問をお願いしました。

仕入れのことから、食器に至るまでアドバイスを頂き、たいへん助かりました。そして何とか、大赤字でスタートしたお店も、今では、まだ黒字とは言えませんが、かなりの集客と売り上げのお店になりました。あの規模のお店なら月300万円の売り上げが一応の目安と言われて、だいぶん近づくことができました。職員にも、利用者の人たちにも、とにかく、「笑顔のある所にお客様は集まる」と言い続けました。
でも、お昼時のお客様が集中する時間帯に、そんなことも言っていられない位の忙しさでした。

あかねの会が運営するレストランは、障害者の人たちも配慮があれば立派に働けるのだということを証明する場所でもあります。赤字では勿論困りますが、業者が黒字でうまく経営できているという上に、障害者が、生き生きと働ける場所であるということを証明する場所を目指しています。
現場の工夫は大変で、最初の頃は売り上げ云々よりも、利用者の方への接し方や、どうやって仕事を理解してできる様になってもらうかの議論が会議のほとんどを占めました。
今でも、そのことの方がパートさんも関心があり、障害の特質や、どうすればいいか?を知りたいという質問が多いです。

そんなカフェレストランわれもこう光が丘店も、今年の10月から来年の3月まで、体育館の工事に伴い、閉店しなければならなくなりました。
工事の後も、今まで通りお客様に来て頂きたいと、先週の土曜日から、利用者の描いた絵と来年の4月1日オープンでお待ちしていることを書いたしおりや、ポストカードを配り始めました。最終日が、9月27日日曜日になりますが、その時まで、利用者の皆さんがレストランの入り口付近で配らせて頂いています。

初日の土曜日に配った様子を聞いて、つくづく、彼らは『われもこう』に育ったと感じました。
公園側から入るお客様が殆どで、体育館側からは殆どお客様が入らなかったそうです。公園側にいた女性二人は、にこやかにカードをお客様に配っていたそうですが、体育館側にいた女性がやった感じがしなくて、次の日は日曜日で、来ることになっていなかったのに、「日曜日来たいです。カードを配りたいです」と言ってきたそうです。ご家庭と寮の方に、確認をして、大丈夫と言うことなので、来てもらいました。午後から音楽クラブがあるので、それまでやることになりました。そして、音楽クラブにやってきて「配りました」と嬉しそうに報告してくれました。休みの日なのに来てくれて、「ありがとう」と言うと嬉しそうに笑っていました。彼女は実は恥ずかしがり屋で人前で声が出せず、私が一年半、毎週言語指導をしていました。発音も明瞭になり、人前で多少まだ恥ずかしがりますが声も出せるようになり、発音指導を卒業にしました。でも、ここまで人前に出る仕事に意欲的になるとはと驚きました。「私も役に立ちたい」と言う気持ちが前面に出ていました。あなたも、『われもこう』に育ったのねと心の中で思わずつぶやきました。

来年、4月1日にはカフェレストランわれもこう光が丘店、再オープンします。大勢のわれもこう達がお客様のご来店をお待ちしております。

吉田 由紀子

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