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“われもこう”の想い その32「農福連携」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和3年12月24日 その32「農福連携」

練馬区には、都内では考えられないほど、まだまだ農地 やぶどう畑が残されています。以前に、ぶどうの剪定のお手伝いや、草むしりの仕事を頂くこともありましたが、継続的な仕事としてはなかなか定着しませんでした。しかし今年になって、ブルーベリーを中心に様々な野菜を育てている、高松4丁目の宮本園さんで毎週定期的に仕事をさせて頂くようになり、そのことが、ねりま区報の12月1日号に掲載されました。

宮本さんとは、レインボーワークの紹介で令和3年5月に知り合うことができました。その後、実際の作業の内容と利用者ができそうな仕事をマッチングさせ、6月から畑での仕事がスタートしました。主な仕事はブルーベリー畑の草むしりです。抜いても抜いても次から次へと雑草が生えてきます。地道な作業ですが、農家の方が一人で行うには時間がかかる作業なので、「とても助かっている」と声をかけていただいています。また作業だけでなく、ジャガイモ堀りの体験をさせて頂くこともありました。取れたジャガイモは、カフェレストランわれもこう光が丘公園店で、利用者にポテトサラダを作ってもらいみんなで食べました。

畑での作業だけでなく、今年に入ってから練馬区の農家と連携した作業はほかにもあり、その一つにアスパラ茶の製造があります。アスパラ茶は、長さを揃えるために切られてしまったアスパラガスの茎をお茶にしたものです。今までは生ゴミとして捨てられてしまっていた茎が、おいしいお茶に変わる画期的な作業をしています。利用者は、茎をトレーに並べて乾燥機に入れたり、乾燥され焙煎された茎を決められた重さをしっかり量って袋に詰めています。

農家との連携だけでなく地域とも連携し製品作りも行いました。
6月に区を通して依頼されたラベンダーの摘み取りを、B型の仕事として行いました。第三みずき寮の近くの地域からの依頼で、マンションの植え込みに咲いたラベンダーを摘み取って何かに役立ててほしいというものでした。提供してくださった方から、摘み取ったラベンダーをお風呂に入れて、ラベンダー湯にしたらというアイデアを頂きましたが、お風呂屋さんへの交渉もどうしていいかわからず別の方法を模索しました。

そこで思いついたのが、匂い袋でした。就労継続支援B型の利用者がウェーデン刺しゅうをした布で小袋を作り、乾燥させたラベンダーを包み込んでみました。鞄にも入れられる小さなものや、ハンガーにかけるものも縫製担当が工夫して作りました。布に包まれていても、香りがほど良く漂ってきます。

自然の直物の香りを嗅ぐと、芳香成分が鼻の粘膜から脳に伝わって自律神経を刺激し、それが私たちの心や身体に快・不快の感情を与えるといわれています。 さらに嗅覚は視覚や聴覚などを含む「五感」の中で、唯一「情動」(怒りや悲しみなど一時的で急激な感情の動き)に伝わるといわれています。つまりα波を増やしてくれる香りを嗅ぐ=脳・心・体がリラックスしているということです。逆にタバコの臭いは、α波を減らしてしまうようです。また、私たちが暮らす空間に染み付いた臭いが、脳のα波に関係する可能性もあります。例えば天ぷらを揚げた後の油の臭いや汗の臭いが、α波を減らしてしまうことも多いそうです。普段から清潔な室内環境を保つことも、脳をリラックスさせるためには重要なことのようです。

他にも、以前から作っている野菜たっぷりスープでも、練馬区産の野菜をできるだけ使おうと、われもこうビルのすぐ近くにある農協と連携し、野菜スープに使う野菜やドライフルーツにする果物を練馬区の農家から集めてもらいました。農福連携や地域連携で生まれた製品を、大勢の人たちに使って頂けたら、障がいのある彼らの生きがいとなり、本当にうれしく思います。

吉田 由紀子

【農福連携・地域連携で生まれた製品】
・野菜たっぷりスープ
・きのこまろやかスープ
・アスパラ茶
・ドライフルーツ

【あかねの会の各事業所で販売しています】
・コミュニティカフェなごみ(われもこうビル1階)
・カフェレストランわれもこう光が丘公園店(光が丘体育館内)
・練馬区役所地下売店あかね(練馬区役所西庁舎B1F)
・カフェわれもこう大泉学園店(大泉はつらつセンター大泉学園内)
・あかねの会大泉就労支援室
・発達支援室あかねっこ各教室(春日町・大泉・練馬)
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