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“われもこう”の想い その72「発達卒業生の秩父宿泊」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和5年10月16日 その72「発達卒業生の秩父宿泊」

発達支援部で、毎年秩父宿泊を体験した人たちは、発達部門を卒業した後も、秩父に行きたいという声が多く聞かれ、数年前から、「卒業生の秩父宿泊」を実施しています。
コロナ禍でこの3年間は実施できませんでしたが、今年、4年ぶりに実施することになりました。再開されるのを楽しみにしていた人たち9名から申し込みを頂き、9月の23日、24日に実施しました。
車2台に分乗して出かけました。1号車の人たちは、車の中でしりとりをしてみました。語彙がどの程度増えたのか知りたくてやってみたのですが、社会的経験が増えて、語彙も増えてきていること、いろいろな工夫をして、前に言われた言葉を二度言わない様に工夫するなどなど、成長を感じました。例えば、「リンゴ」が出てしまった後、「り」のつく言葉になった時に、「リンゴジュース」とか、「リンゴ飴」等、上手にすり抜ける知恵もついていてビックリしました。
それを聞いて、2号車でも、高坂サービスエリアで休憩後、しりとりをしたそうです。
一日目は、高速を花園で降りた後、140号線にあるとんかつ屋さんで昼食を済ませて、お馴染みの星音の湯に行きました。

 

入浴後、いつものスーパーで、その日の夕食、翌日の朝食の材料を手分けして買いました。
その後、山の家に到着し、みんなで夕食作りをしました。さすが、卒業後、就労しているメンバーが多いので、何らかの仕事をしたくて、みんな台所に集まって来て、指示を待っていました。指示された仕事は、手際良くこなしてくれ、在校生の頃のいろいろなエピソードを思い出し、その落差に大きな成長を感じました。

中学生の時の初めての宿泊でゆで卵の皮が剥けず、1年間の家庭の課題にしたA子さん、先日の宿泊から帰って来た時、お母さんが、あれから我が家ではいつもA子が、ゆで卵の皮剥きをしていて、とても上手になったとのお話を伺いました。何年単位の気の長い成果を感じさせてくれるのが、この「秩父宿泊」なのだとしみじみ感じました。

夜は雨が降ってしまい、花火を買ったのですが、残念ながらできませんでした。やはり、山の中腹にある山の家は、夜になると涼しく、長袖が懐かしくなる感じでした。

朝、朝日が、東の山の端から登りだし、日の当たるテラスで朝食を頂きました。

テラスでの食事

フレンチトースト15人分を、途中から引き受けてくれたTさん。とても手際良くフライパンに向かってがんばってくれました。みんなの力を借りて、食事の準備もスムーズに進みました。布団を干し、大掃除をして、山の家を後にしました。
帰り、発達支援部の時に毎年寄っていたレストラン「花園フォレスト」に行き、昼食をとりました。コロナ前のように、ケーキのバイキングは今はやっていないので魅力が半減ですが、奥の部屋を貸切りで確保してもらい、ゆったりと食事ができました。

おみやげも買い、わずか一泊二日の旅でしたが、みんなの笑顔を見て、楽しい思い出ができたなと感じました。来年、行きたい所も次々と意見を言ってくれて、もう来年の楽しみが膨らんでいます。

吉田 由紀子

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