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“われもこう”の想い その49「ハロウィンの飾り付け〜三井ガーデンホテル千葉 3年目〜」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和4年10月5日 その49「ハロウィンの飾り付け〜三井ガーデンホテル千葉 3年目〜」

9月の末、10月のハロウィンに向けて、千葉のホテルの装飾に、就労支援室(B型)の利用者が出かけました。千葉の三井ガーデンホテルに装飾をするのは、今年で3年目になります。装飾する物については、8月の終わり頃から、大泉就労支援室(B型)や、われもこうビルのB型、生活介護事業所みのりなどで、いろいろ工夫して、今までにない作品が出来あがりました。

特に今年は生活介護事業所のみのりが初めて参入し、従来にないアイデアで、ビックリするような作品ができ上がりました。

われもこうビルのB型のTさんは、去年から、ハロウィンの飾り付けに行きたくて、この日を楽しみにしていました。
ただ、最近は気持ちが落ち込み、通所できない期間がありました。通所できた日も目がうつろで覇気がない様子が続いていました。
「今年もハロウィンの飾り付けがあるから行きますか?」と声をかけると、小さな声で「行けたら」と返事がありました。これでは難しいのではと感じましたが、数ヶ月して自分から「ハロウィンの飾り付けに、また行きたいです」と声をかけてきました。その日の気分で元気な時と気持ちが沈んでいる時もありましたが、当日は無事に行くことができました。
今回は、大泉就労支援室の職員、利用者も一緒に行くため、途中で大泉就労支援室に寄りました。そこで、以前われもこうビルのB型で一緒に働いていた利用者と再会し、「久しぶり」と笑顔を見せたり、ニュース発表に飛び入り参加したり、車の中では、自分の趣味の話や行ったことがある場所の話など、積極的に職員や利用者に話しかけたりと、ホテルに到着前から元気いっぱいでした。

飾り付けの作業が始まると「この飾りは、ここに付けるのはどうですか?」と積極的に支援員に声をかけてきました。ただ、われもこうビルに戻ってきて、誰と一緒に行ったの?と聞かれて、全く一緒に行った利用者の名前を答えられなかったとのことで、あんなに車の中で一緒に話していたのに、久しぶりと声をかけていたのにと思ってしまいましたが、私達のように、時間の流れの中で捉えず、瞬時、瞬時を楽しんでいるのだなと気付かされました。
Kさんは、昨年のハロウィンの飾り付けには参加しませんでしたが、グループホームの仲間と見学に来たことを思い出して、「去年来たよ」と思い出していました。

  

「今年は作業しないとね」と言いながら、一生懸命ハロウィンの展示をしていました。完成すると、「すごいね。できたね。」と誰よりも喜んでいました。作業が終わった後、ホテルの総支配人さんのご厚意で、ホテルカレーをご馳走になると、「去年来た時も食べたよ。私、このカレーの味が大好き。また、食べられて嬉しい。」と言い、去年、見学の後に稲毛海岸で貝殻を拾って帰ったことをなども思い出し、話をしていました。

車の絵を描くのが得意なUさんは、ホテルに着くまでの間、窓から見える車をずっと見ていて、「キャリア付きの車が走っていました」と嬉しそうに話していました。支援員が、「また、車が描けますね」と声をかけると、「描けます!」と次の創作に意欲的でした。作業中は、積極的に荷物を持ってくれ助かりました。三人三様、それぞれの一日を充実して過ごせたようです。普段の支援室内の作業ではない一日を過ごすことができ、いつもとは違う体験を持つのも新鮮で、経験の幅や視点を広げるために必要だと感じました。

また、彼らの作ったハロウィンの作品が、ホテルに来られる一般の人達に見てもらえるということ、そのことの意味の大きさをひしと感じました。

  

彼らが努力をして、まわりの人達が応援してたとえ就職できたとしても、社会の片隅でわれもこうの様に、ひっそり咲くだけです。
でも、彼らだって自分の作ったもの、描いたものが、いろいろな人の目に触れ、感動してもらったり、ほめられたりするとどんなにやりがいを感じることでしょうか。そういう意味で、大勢の人達に彼らの作品を間近に見ていただく機会を毎年いただけて、本当に嬉しいです。これからも彼らの作品や描いたものをどんどん発信していきたいと考えています。

吉田 由紀子

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