われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい
令和6年3月14日 その85「就労支援室の講話・周りに気づく力を育てる」
3月3日は、ひな祭り。
毎月、日中活動の就労継続支援B型と、生活介護事業所みのりとの計6カ所で、「講話」の時間を設け、四季おりおりの話題を提供しています。
毎年、話題にしても、1年経つと殆ど忘れている人が多いので、新鮮にお話しができます。
今月も3月なので、「ひな祭り」について話しました。又、耳の形が数字の「3」に似ていることから、3と3で「みみの日(耳の日)」であることも取り上げました。
「あかりをつけましょぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花」
歌詞はよく覚えていて、歌えるのに、桃の花を知っている人は、毎年、殆どいません。
梅、桃、桜の名前は知っているけれど、いつ頃、咲いてその後、どんな実になるのかなど、結びつけて考えることはない様です。
蝋梅(光が丘梅林公園)
紅梅(光が丘梅林公園)
そこで、2月に梅が咲いて4ヶ月後の6月に梅の実がなること、梅の実がなる頃に雨がいっぱい降るから、六月の頃の雨を「梅雨」ということを毎年、話しています。
3月に咲く桃の花が散って、何の実になる?「桃」がなかなか結びつかない様です。スーパーで桃が並び出すのが7月頃というのも、今の時期では、ピンとこない人が多いです。
桃の花
4月(ことしは、暖かいので3月に咲く)桜は、何の実になるか?も結びつかない人が多いですが、余暇支援部の果物狩りに出かけている人は、自らの体験からわかる人がいます。毎年、楽しみにしている「さくらんぼ狩り」を連想して桜の花がさくらんぼになるということ、8月ということも体験的にわかっています。
桜(石神井川)
やはり、知的に高い力を持っていて知識として得られる物と、自らの体験として身につけて会得した物とは、比べ物にならないと感じます。
体験的に習得していくことの大切さを、彼らと接しているとひしひしと感じさせられます。
自分から気づくことが少ない彼らに、体験を通して「気づく力」を育てていくことの大切さを、中学校の特別支援学級で彼らに接していて感じたことですが、中学校を卒業して何十年経っても、「気づく力」を育て続けないと、周りの変化に気づかないままで生きていくのだと。
体験を通して、自分の周りに広がる自然の変化に、気づく力を育てていかないと、社会の中で働いたり、生活をしていく上で、相手の表情の変化や気持ちの様子に気が付かなくてトラブルになることが多いということになります。
自分の一時的な欲求〜食欲、その他の一次的な欲求に動かされて生きていくことになります。
われもこう(森林公園)
周りに気づく力を育てれば、自分の一次的欲求に振り回される生活から他人の変化に気づいて、人のために行動する力が育ち、「われもこう」の様な生き方ができることを願って、今後の支援も続けていこうと思います。