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“われもこう”の想い その20「自分の想いを表現する スピーチクラブの成果」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和3年4月16日 その20「自分の想いを表現する スピーチクラブの成果」

日中一時支援のひだまりでは、いろいろなクラブを行っています。合唱を楽しむ音楽や、就労者の支援のための社会学習、ダンスや手話、調理、ケン玉工作など、余暇の充実のためや、将来の生き抜く力を育てるために、あかねの会ができる前から行なっている活動もあります。

日中一時支援の制度になってから、更に彼らに言葉の表現する力を高めていきたいと、平成24年度から新たにスピーチクラブを作りました。もうすぐで10年になるのかと思うと感慨深いものがあります。なかなか、自分の思いを言葉にできない彼らを見て、せめて発音をしっかりできるようにして、自分の思いを相手に伝わるようになってほしいという思いで発音指導から始めました。

早口で何を言っているのかわからない人が多かったので、まず、自己紹介で、自分の苗字と名前をしっかり区切って話すことから入りました。住所、働いている所などが相手にしっかり伝わるように、何度も練習しました。区切る所を、斜め線でわかりやすくするために、書いたものを読む練習をすると、非常にわかりやすく発音できるようになりました。

そこで、自分の思いも、まず文字で書いて読み上げるようにしてみました。今まで話したいことは沢山あって、早口や発音不明瞭で何を言っているかわからなかった人も読み上げることで、非常に相手に伝わりやすくなりました。その成果を親御さんや関係者の方に観て頂こうと思い、あかねの会で運営しているカフェレストランわれもこう光が丘店を貸し切り、今まで2回発表会も行いました。

書き溜めた文章もかなりの量になりスピーチクラブの文集も、現在2巻まで発行できました。そろそろ3巻目の準備も進めています。

でも、この間、コロナウイルス対策のための緊急事態宣言によって、活動を休止せざる得ませんでした。みんなが集まれないそんな3月のある日、11月に応募していた親孝行大賞から、受賞のお知らせが届いたのです!!

応募580編の中から、Oさんの「天国のお父さん、お母さん」が、に選ばれました。
Oさんは、数年前に、お父さんもお母さんも亡くされ、あかねの会のグループホームに入って暮らしています。数年前から、アパホテルの在宅勤務で、1ヶ月2800羽の鶴を折る仕事をしています。

体の大きいOさんが、机に向かって背を丸めて細かい指先を使って鶴を折っているという格好なのですが、とても器用にきれいにずっと机に向かって一日中がんばっている姿は感動ものです。

「天国のお父さん、お母さん」

お父さん、お母さんは、天国でぼくをみてくれています。お母さんが生きていたころ、おうちでぼくがイライラして、大きなこえを出してしまいました。お父さん、お母さんが天国でぼくをみてくれていて、うれしいです。ぼくがけんこうで、仕事をいっしょうけんめいすると、お父さん、お母さんもうれしいと思います。今、ぼくはアパホテルのつるをおる仕事をしています。ぼくのおったつるは、アパホテルにくるおきゃくさんに、わたされます。おきゃくさんに、よろこんでもらうとうれしいです。天国のお父さん、お母さんにもつるをおってあげたいです。天国であんしんしていてほしいです。

お母さんが、お元気な頃に広報誌に載せて頂いた文章があります。
あかね通信 号外に掲載されています。下記リンクから開けます。

あかね通信 号外

お母さんの子を思う気持ちが痛いほど伝わってきます。知的障がいがあっても、この思いをしっかり、子どもが受け止めて生きていってるということを感じました。

吉田 由紀子

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