われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい
令和6年12月27日 その104「第27回心の鐘コンサート 〜二度とない人生だから〜」
今回のテーマを話し合った時は、能登半島地震やガザなどの戦争場面の画像に、テレビを通して彼らの心が大きく憂鬱に落ち込んでいる頃でした。「戦争をやめて欲しい」と叫んでも、戦争は終わりません。「地震が起きないでほしい」と願っても、いつ、大地震が起きるかもしれません。
そんな中でも、私たちは生きている、一度しか無いかけがいの無い人生を送っている〜集約するとそんな想いが伝わって来ました。
仏教詩人の坂村真民さんの「二度とない人生だから」が、ピッタリかなと思い、少々、長くて難しい歌でしたが、この1年間取り組みました。
あかねの会の音楽クラブに設立当初から関わっている男性パートの中心となるSさんでさえ、「歌詞がなかなか覚えられない」とコンサート直前になって嘆くほど、長い曲でした。
でも、本番には、指揮をしていた私でさえ、「よくこの曲を歌いこなしたな」という感じがするほど、自信を持って歌ってくれました。
楽しい曲も一つは入れようと話していた頃、現あかねの会の理事長の吉田直己が、小学校入学以前に通っていた難聴児の訓練施設で同級生だった齋藤陽道さんが作詞した「きんらきらぽん」が、Eテレの「おかあさんといっしょ」のエンディング曲として、毎日、放映されていることを知り、この曲も歌おうということになり、楽しく練習に励みました。
舞台には、手話クラブの人たちも一緒に立ってもらいました。手話と合唱で、会場はたいへん盛り上がりました。
それぞれの曲紹介も、自分の生き方、感じていることを歌詞と重ね合わせたメンバーが自主的に手を挙げて決まりました。
今までの自分の苦しみを胸に仕舞い込みながら生きて来たのかな?と感じさせる自己開示の言葉もあり、練習の時から何回も聞いているのに、本番で舞台の上で聞いても目頭が熱くなる言葉もありました。一人ひとりがいろいろな想いを乗り越えて生きているのだなと改めて感じさせられました。
又、二部では、いつも、ゲストの演奏をお願いしているのですが、今回は、齋藤さんのトークショーにしました。途中から、あかねの会の理事長の吉田直己も加わり、「同じ様な障がい」があっても、それぞれの想いで生き方が違うということを話して頂きました。
一昔前なら、視覚障がいの方なら、マッサージ師だとか、聴覚障がいなら、パソコンの打ち込みだとか、知的障がいなら掃除、食器洗いなどと職業も限定され勝ちでした。
でも、同じ様な障がいを持っていても、一人ひとりの想い、個性は違うので、二度とない人生〜自分らしく生きるというメッセージを、トークショーで感じてもらえればと思い、企画して良かったと思います。
齋藤陽道さんは、手話の素晴らしさに芽生え、「聞く」ことよりも、手話の見える言葉により「言葉の素晴らしさ」を見つけていかれました。
吉田直己は、人工内耳の手術をして、あくまでも、「聞こえる」世界での生活で、健聴者と難聴者を繋ぐことにこだわりを持って生きて来ました。
同様な障がいがありながらも、それぞれの考え方で、生き方も変わってくる、それぞれの自分らしさを大事にして、自分らしく生きていいということを伝えてくれました。
三部には、齋藤陽道さん、理事長も加わり、手話クラブ、会場も巻き込んで「きんらきらぽん」を歌い、最後は、恒例の「ふるさと」で締めくくりました。
知的障がいのある人たちも、知的障がいだから「〇〇の仕事しかできないだろう」という捉え方ではなく、一人ひとりの個性、特性、想いを大事にした職業選択がされる世の中になって欲しいという願いを、今回のコンサートで発信したつもりです。
実現していくには、地道な努力がまだまだ必要だと思いつつ、この想いを発信していく努力も続けていかなければならないと感じました。