われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい
令和7年10月22日 その117「発達支援部の秩父宿泊」
毎年、発達支援部の中学生以上の希望者が、秩父の山の家で3泊4日過ごし、今後の自立に向けての課題を明確にする目的で、宿泊を行っています。
コロナ禍でしばらく途絶えましたが、一昨年から、2泊3日にして再開しました。親元から離れて、自分たちで買い物をして、調理をします。山の家の掃除や寝具の準備もします。食事の後片付けもします。生活を通して、「生きる力」がどの位育っているか?育っていない部分を、今後、どう育てていくか?等を把握するための宿泊です。
1日目は、夏休みに入ってすぐの週末で、渋滞していた高速を降りてすぐのとんかつ屋さんに入りました。
箸の持ち方など、早速、課題が目につきましたが、彼らは食べることに夢中でした。
食事の後、「星音の湯」という温泉へ。毎年、来ているので、だいぶん慣れているはずですが、靴のロッカーや室内着を借りてロッカーへ、着替えの下着の入れ替えなど、毎年やっていても、なかなかうまくできる人はいません。入浴の仕方など、細かい課題については、一人ひとりの報告書にまとめて、ご家庭に知らせて、来年までの課題として、各家庭で取り組んで頂けたらと思っています。
その後、スーパーに寄って夕食と翌日の食材を買いますが、何と、何年も使っていた秩父地方に何店舗かあるスーパーマーケットが閉店!していました。高齢化で、パチンコ屋さんが高齢者施設になっていたり、コンビニが葬祭屋さんになっていたりと、ここ数年の高齢化、人口の推移を感じます。別のスーパーマーケットを探して、食材を買い、山の家に行きました。
掃除や布団干しをする人たちと、調理を担当する人に分かれて、それぞれの仕事に取り組みました。
やっと出来上がり、カレーライスとサラダをみんなで頂きました。
歯磨き、布団敷き、着替えなどしてやっと落ち着いて寝静まったのが、12時を過ぎていました。それから、今日一日の様子をまとめた後、支援員で集まって一人ひとりの様子や課題について、話し合い、今後の課題をご家庭に伝える資料を作りました。
二日目、7時起床。
調理と掃除、テラスでの食事準備と役割分担をしました。毎年来ている人たちが多いためか、思ったより、スムーズに動いてくれました。
ただ、指示された仕事が終わると、報告もせず、畳の部屋に行って座り込んでしまう人が多いので、頼まれた仕事が終わったら、「終わりました」の報告をきちんとするように伝えました。
高校生が殆どだったので、卒業後の生活を考えると、一般就労、あるいは、就労支援に行った先のことを考えると、やり終えた後の報告は、最低限、必要なことなので、何回も声をかけました。
朝ごはんもみんなの協力で、揃ってテラスで、鳥の囀りを聞きながら頂きました。
朝食後、お昼に自分で食べるおにぎりを作りました。おかずのきゅうりや、ゆで卵も分担して作りました。おにぎりは、毎年取り組んでいますが、三角に握ることが難しく、まん丸のボールのようになる人が多かったです。お椀にご飯を入れて、サランラップをかけて握る段階から、何年もかけて、自分の手のひらに載せて上手に片方の手で、三角にしていけるようになります。
10時半にやっと出かけられる状態になり、浦山ダムに向かいました。
浦山ダムの奥にあるダムができた時に沈まなかった部落に行ってみました。部落の入り口に、手作りの木で彫ったいろいろな飾りがあり、あまりにも本物そっくりでビックリしました。
山に囲まれた沢沿いの部落には人影もなく、お堂がひっそりと建っていました。みんな自然に手を合わせていました。
その後ダムの休憩所で、自分で作ったおにぎりを食べました。ダムの役割について、2階に模型があり、説明が書いてありますが、解説をしても、分かった人が何人いたやら? 東京の水道の水は、ここのダムで貯められたから、いつでも出るという実感は、どう教えたら良いものやら‥。
午後、昨日と同じ星音の湯に行き、又、山の家に帰って、夕食作りをしました。二日目は、クリームシチューとサラダ、焼きナスです。
1日目よりは、早く就寝できました。
最終日は、丁寧に大掃除をして、山の家を後にしました。途中で、華厳の滝に寄り、みんなが課題の楽しみにしていた花園フォーレストに向かいました。「食べ放題」というのが、とにかく魅力のお店で、1日目から「花園フォーレストと言っている人がいた位です。お土産も買い、お腹も大満足で帰路につきました。
もう、何年間も続けて秩父宿泊に参加していた人が、高校3年生になり、来年はもう会えなくなります。三日間、それぞれの人の課題も見つかり、これから、普段の生活の中でどう取り組んでいくか?ご家庭の協力も頂きながら、少しずつ、自立していけるように応援をし続けていきたいと改めて思いました。
あかねの会の場合は、放課後等デイサービスを卒後して、他の団体の所属になっていった人たちも、毎年、希望者は、一泊ですが卒業生の秩父宿泊を続けています。
何らかの形で又、関わることが出てくるかもしれないので、切れ目のない支援を目指していこうと考えています。