われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい
令和6年10月30日 その100「地域に根ざすレストランを続ける」
台風10号の影響で、8月30日から9月1日に予定していたひだまり社会学習クラブの宿泊を前日に急遽、中止にしました。急に空いてしまった時間を、今まで忙しくて取り組めなかった研修に充てようと、一人、われもこうビルで、オンデマンド配信の「ダウン症」の研修に取り組みました。
お昼頃、お腹も空いたので、カフェレストランわれもこう光が丘公園店に昼食を食べに出かけました。6月に導入された機械の注文の仕方に、私でさえ慣れず、何とか、食べたいものの入金をして番号の書かれた紙を持って座りました。
すぐ後に私の隣の席にご高齢の男性のお客様が座られました。そこへ、小学校高学年くらいの女の子が何か紙切れを持って、その男性の所にやってきました。
「忘れ物ですよ」と言ってその紙をご老人に渡していました。
そう、その紙に書かれた番号で呼び出されるのだから、その紙を見ていないと品物が受け取れません。内心、良かったと思いながら、店員さんではなく、小学生の女の子が持ってきてくれたことに、不思議さと、小学生なのにこのシステムがよくわかっているなと感心しました。これで注文品が受け取れるだろうとホッとしていたら、そのご老人が店員を呼んで、ポテトを間違えて二つ頼んでしまったので、取り消せないかと言っているのが聞こえてきました。別のメニューに変えるか、お持ち帰りになるかにして頂きたいという説明を受け、持ち帰ることにされたようでした。
すると、運ばれてきた持ち帰り用の袋に入ったポテトを、近くに座って食べ始めていた先ほどの小学生の所にもっていき、「さっきは、ありがとう。これ食べて」と言っているではありませんか?
親子でびっくりされていましたが、何度も頭を下げてお礼を言っていました。すると、そのご老人が、通りかかった店員に、「ポテトにケチャップかけてあげて」と頼んでいました。その小学生の女の子は、ケチャップをかけてポテトを美味しそうに食べていました。何気ない日常の出来事でしょうが、これが「人のつながり」人間社会の姿なのだと感動しました。
障がいのある人たちの働く場としてこの「カフェレストランわれもこう」を大事にしていきたい、赤字が続いて厳しい経営でも、何とか続けていきたいという気持ちを、経営会議の度に、話し合ってきましたが、こういう光景を目にすると、やはり、地域に根ざして続けてきて良かったと思いました。
数十億年前に、サル族から、「ヒト」に進化した経過を書いたNHKの取材班の本を読んだ時の感動が蘇りました。サルは同族でも、食べ物を与えない、自分だけが食べる。人がヒトになってから、知らない人にも分け与えるという行為がなされてきた、ということが書かれていました。本来のヒトは、知らないヒトにも分け与えると、世界中のいろいろな人種の取材で明らかになったと書かれていました。ヒトは知らないヒトにも分け与える‥それが今の地球上にどんな生物よりも大繁栄もたらせた大きな要因であると書かれていました。
だのに、どうしてヒトは戦争をするのか?縄張り意識が大きな原因でしょうが、本来は、分け与えることができる生き物だということです。全く見ず知らずの人でも、親切にされたら、自分の食べ物のお裾分けをする〜微笑ましい光景を見て、ヒトが人として戦争をせずに、お互いのことを思いやりながら、笑顔で暮らせるようになるためには、どうしたら良いのだろうかと考えさせられました。
ヒトは、この奇跡のような命のある星に暮らすようになり、進化してきましたが、お互いに殺し合い、その大切な環境を壊し始めて、どこへ向かおうとしているのでしょうか?親切にされたら、その親切に応え笑顔で関わり合うーそんな素晴らしいヒトの社会が少しでも広がり、長続きしますようにと祈らずにはいられません。
とりあえずは、自分の身近な人に自分のできることをしていく~そんな小さな輪が少しずつ広がって大きくなっていくことを願い、ささやかなことでも自分のできることを日々積み重ねていくことの大切さを感じます。カフェレストランの小さな女の子の他人を思いやる親切さに触れ、改めてささやかなことを積み上げの大切さに気づかされました。
※尚、自動販売機の扱いにも職員が慣れておらず、「修正」方法等がわからず、ご迷惑をおかけしていましたが、今後は申し出ていただければ、「取り消し」が可能ですので、ご遠慮なく、声をおかけ下さい。