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“われもこう”の想い その97「発達の宿泊」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和6年10月4日 その97「発達の宿泊」

コロナ禍で、一旦中断していた発達の秩父宿泊を昨年から再開しましたが、まだ、コロナの影響が心配で、昨年も今年も2泊3日で実施しました。

今回も、秩父にある城峰山の中腹にある、あかねの会の「秩父山の家」を利用しました。

初日、予測以上に高速道路が混雑していて、花園インターで高速道路を降りたのが、13時近くなってしまいました。
予定通りに、和銅開珎の聖神社に寄ってから、星音の湯に行って昼食では、あまりにも遅くなりすぎるので、こういう場合の奥の手の高速道路を降りてわりと近くにあるトンカツ屋さんで昼食にすることにしました。

高速道路が混雑した時に、時々利用していたお店で、安さが魅力!勿論、二代目さんの揚げるトンカツも地域では表のお店です。

お腹も落ち着いた所で、星音の湯を目指しました。星音の湯では、いつも通り、ゆったり温泉に入った後、甚平と浴衣に着替えて、池の鯉を眺めながら記念撮影です。

その後、スーパーで、食料の買い出しをしました。それぞれの班で割り当てられた食材を購入して、山の家へ向かいました。
山の家に到着後は、山の家の中、外の掃除をする人たちと、夕ご飯作りをする人と手分けをして、自分たちで生活を始めます。
1日目はカレーライスとサラダ、スイカです。
ほとんどの人が2年目ですが、野菜を洗って皮を剥く、切るなどの仕事は、やはり丁寧に説明をして、見本を見せて、確認しながら行いました。

今年、初めて参加した中学生は、お米を研いでもらいましたが、10分後にスイッチを入れるということを、他の作業をしながら覚えていて時計を見ながら自分できちんとできました。野菜の皮の剥き方や、乱切りなども、教えたらきちんとできる人がほとんどでした。サラダの盛り付けや、箸、スプーンの用意など、いろいろ仕事はありますが、指示されたことをそれなりにこなしていました。まだまだ、未経験で指示されながらやることも多かったですが、少しずつできる様になっていく姿を見るのは、とても嬉しいです。

食後、お風呂で冷やしたスイカを気がついたら、皮まで食べてしまった人もいて驚きました。

片づけも自分たちでやり、布団を敷いて、就寝。でも、興奮してなかなか寝られない人もいたようです。

職員は、今日の記録を話し合いながらパソコンに打ち込み、次の日の確認などを行い2時近くに寝ることができました。

朝は、職員がなかなか起きられない中、6時半くらいから、自分で起き、検温をして着替え始める人もいて、驚きました。7時から朝食作りを、やはり数人の人が来て手伝ってくれました。パンを焼いたり、目玉焼きやサラダを作ったりの手伝いをしてくれました。

朝食後は、自分のお昼に食べるおにぎり作りです。一年ごとに上手になっていく人もいますが、手のひらで、ぺたんこのおにぎり?にしてしまう人も、まだまだいます。職員が手を添えて形を整えたりして、何とかおにぎりらしくなりました。

2日目は、浦山ダムへ向かいました。浦山ダムは、高さが145mあり、堤の上に展望室を兼ねたレストランがあるので、お客様が少なければ、絶景を眺めながらおにぎりを食べられます。堤の上からは、ダム湖のさくら湖も眺めることができます。残念ながら、さくら湖の周りは、工事中のため、歩くことができませんでした。

2日目も星音の湯に寄り、温泉に入りました。去年より、大広間でのマナーも良く、周りの人たちに迷惑をかけることは少なかったです。
2日目の夜は、クリームシチューとサラダを作りました。手順は、カレーライスとほぼ同じなので、段々手慣れてきて、やれることも増えてきました。残念ながら二日間とも、夕方から雨が降り、せっかく、楽しみにして買った花火はできませんでした。

3日目の朝ごはんも積極的に手伝ってくれて、片づけ、大掃除もして、「東京に帰れる」「家に帰れる」という大きな動機づけの元、動きも良かったです。

雄大な山の景色ともお別れです。
秩父札所の34番目の結願寺である水潜寺に寄ってお参りをして、花園フォーレストに向かいました。食べ放題のお店で人気なのですが、予約していたので、特別室に通されました。野菜やカレー、いろいろなおかずの他にも、飲み物も飲み放題、ケーキも食べ放題なので、一人ひとりについてないと、危ない!危ない!

彼らにとっては、幸せな時間だったと思います。

でも、今後、彼らが社会の中で生きていくために、何の力を育てておかなければならないか?三日間の生活を通して、じっくりとみることができました。生活の項目別に、各家庭に課題をお伝えし、来年の成長に繋げたいと思います。
24時間、丸ごとお付き合いをして、しかも遊ぶだけでなくて、生活を自分たちで組み立てていくことを通して、彼らにどんな力をつけておくべきかということが明確にできるこの宿泊は、今後とも大切にして行かなければと思います。

吉田 由紀子

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