令和4年9月26日に開催しました、あかねの会支援アドバイザー 吉田由紀子の講演会に際しましては、沢山の方のご来場を賜り、誠にありがとうございました。
残念ながら来場できなかった方よりご希望がありましたので、吉田由紀子の講演動画と当日資料を公開いたします。
□ 講演動画はこちら(YouTubeにリンクしています)
2022/9/26子育て学習講座「生きる力を育てる~生活力(LQ)評価とその育て方~」 – YouTube
□ 当日配布資料のダウンロードはこちら(PDFファイル)
20220926_子育て学習講座_生活力を育てる ~生活力評価と育て方
□ 「生きる力を育てる~自立度(LQ)評価とその育て方~」の発売について
あかねの会の各事業所で販売しております。発達支援室にもございます。一冊1,000円
お問合せ 法人本部事務局 TEL:03-3577-7421
□ ご質問への回答
最後の質疑応答では、時間の関係で、質問を寄せていただいた全員の方に回答することができませんでしたので、ここに吉田由紀子からの回答を掲載いたします。
Q1:情緒が安定するために家庭でできることは、どんなことがあるかおしえて頂けませんでしょうか?社会的ルールが身につくために、幼児期・学童期でできる事はどんなことがあるかおしえて頂けませんでしょうか?
A:本人の状態像によって異なるので、具体像を提示して頂きたいですが…。
・自閉傾向のパニック 自閉の深さにもよりますが、医療との関わりを必ず持ち、薬に頼らなければならない時期もあることを覚悟する。パターンが崩れるとパニックになることが多いので、パターンを少しずつ意図的に崩し、適応力を高めていくトレーニングを積み重ねる(脱感作療法等を参考に)
・自閉症ではなく、社会的ルールより自分の感情が優先する場合、しっかりと周りの人(特にお母さん)の気持がイヤになることを伝えましょう。どうしたらお母さんが笑顔になるのか伝えていきましょう。
Q2: 今回のセミナーとは話がずれてしまうのですが、息子(小学校2年生。自閉症スペクトラム・アスペルガー・学習障害を持っています)が大の偏食です。息子は好きなものだけを食べているので、ごきげんでいますが、給食が辛く週1~2回は休んだり、早退する日々です。私たち家族も、日々息子の食事に合わせるのが疲れることがあり、辛いです。なかなかつながりがなく、そういった会など、もしご存知でしたら教えていただけると大変励みになり、救われます。
A:自閉症の偏食は、こだわりの一つです。このこだわりを少しずつ減らしていき、色々な場面スケジュール、食事などに慣らしていく必要があります。それが適応力(LQ)を高めていくということです。今回のテーマからずれていません。正にそのものが課題として捉えています。一つ一つの生活力を上げていく努力をしていって下さい。
Q3:経済(買い物)レジとかもセルフレジとか、クレジットカードしか使えない。どうするのか。
A:有人レジは大抵どこのスーパーでも1ヶ所は残してあるので、そこを使う事を教える。3度程度の人なら、50才になってからでもセルフレジの使い方を教えて覚えることができています。丁寧に一緒に何度か教えていけば覚えられます。
Q4:児童→青年→高齢の方まで見てこられた経験から振り返って、幼児期に最も大切にしたい力とは何か…お考えを伺いたいです。
A:自分をしっかり見守ってくれる人がいるという安心感と自己肯定感を育てておくことが大切だと思います。そして、一人では生きていけないので、社会的ルールをしっかり守れる人に育てること。そのために家庭でのルールを作り、人に迷惑をかけないためにルールを守り、自分が誰かのために何かをして喜んでもらうことが、自分の喜びになる心を育てておくこと。
Q5:おそらくしょうがいがあるが、でも仕事も行けていた。とつぜんおふろに何ヶ月も入らなくなったり、家からでなくなったりする ぎりの妹(20代)がいる。→どこに相談にいけばいいのかわからない。また、そのようなけんさもしたがらない場合どうしたらよいか。他人を家にいれることもイヤがる(キレるなど)
A:多分、精神系の疾病が疑われます。何とか精神病院の受診をされるべきです。親族の承諾で措置入院(強制入院)という制度もあります。
Q6:今まで出来ていたことが思春期(反抗期)に入り、雑になったり、適当にやるようになってきました。注意をしても「うるせー」「外ではちゃんとやってるから」等と言い、言う事を聞こうともしません。家の中だけかと思っていましたが、やはり普段の行いは外でも出てしまって、出来ていたことが出来なくなってきて困っています。(食事マナー・入浴・お手伝い)
A:反抗期でなく自立期です。自分で考えて行動するようになったのです。小学校まできちんと教えていたのなら、身についているので「本当はわかってるね。ちゃんとやる時にはできるネ」と本人を信じて声かけをしてあげましょう。注意すればする程、反抗的言動が返ってくるだけです。 「信じて待つ」前向きな声かけと焦らず待つこと。外でだらしなさが出たら外で注意されて直していくこと。いつまでも親が我が事のように抱えこまないことが大切です。
Q7:先ほどのお話の中にあったお箸の持ち方ですが、うちの子(中学生)も中々きちんと持てません。気が付くたびに言うとそればかりになってしまい、楽しい食事の時間の空気が重くなる時もあり、どの程度、頻度で注意すればよいか教えて下さい。
A:指の基本的握力や動かし方が身についていないのに箸の持ち方だけを注意しても身についていかないどころか、本人もイヤになって反抗的になってしまいます。親指が他の4指と向き合ってしっかり動かせるようにトレーニングすること(洗濯バサミ、高鉄棒からぶら下がる等)しっかり指の握力をつけ、親指が対峙して動かせるようにしてから、エジソン箸を持たせましょう。注意する=本人がイヤになるだけです。
Q8:つめ切りについてですが、つめがのびていないので、自分で切っているかと思っていたら、つめ切りでなく、口でかんだり、指でむしったり(?)しているようで、のびている所を見つけたら、つめ切りの練習もできるのですが、大体、短かくて、見つけられません…。どうしたら良いでしょうか?
A:お母さんの爪を切ってもらったらどうでしょうか?上手になったネとほめて自分の爪も切りたいと思うようにもっていきましょう。あるいは足の爪なら切れるでしょうから足から取りかかってみては如何でしょうか?
以上