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“われもこう”の想い その21「きれいな街に住みたい」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和3年5月6日 その21「きれいな街に住みたい」

まん延防止等重点措置が明けないうちに、3回目の緊急事態宣言に切り替わってしまい、5月の連休は、強く自粛を求められています。
あかねの会でも、土日曜日に実施していた日中一時支援の活動を、全て休止しました。

ただ、グループホームの人たちの中には連休中も実家に帰ることが難しい人や、一人で置いておくと社会的ルールを守ることが難しく、見守りをしなければならない人たちがいます。そこで、連休中は、日中通う場もお休みになってしまうため、グループホームの支援員が交代で見守りを行っています。連休の中日、私も何日かお手伝いに入りました。練馬区の西地区の人たちは、5月の連休中、3月にオープンした大泉就労支援室に集まってもらいました。あかねの会の15ヶ寮の約半分の7ヶ所の寮が、笹目通りより西にあります。

コロナ対策のため公共交通機関を使わず、歩いて来てもらいました。3〜4Kmの距離を40分ほどかけて歩いてくる人もいました。支援員が、何ヶ所かの寮に迎えに行き、1時間ほど支援員と一緒に歩いてくる人もいました。大泉就労支援室に集まった人たちで、連休中殆ど毎日、午前中は大泉学園駅の周辺のゴミ拾いをしました。

地域のゴミ拾いは、ひだまりの事業で、2年前に発足したわれもこうクラブの活動として定着していましたが、コロナのために活動中止となりました。何回も経験するうちに、彼らのトングの使い方が上達したり、ゴミの見つけ方が速くなったりすることにビックリしました。思わず「よく見つけたね」「上手に取れたね」と声をかけてしまいます。ゴミの袋を支援員が持っているので、一つずつゴミを袋の所に持ってくるのが非効率と感じたのか?ゴミを二つ上手に挟むようになっていくのにも驚きました。普段の手作業では不器用だと思っていた人たちが何人も上手に二つ以上のゴミを挟んで袋の所に持ってくることができるようになったのです。

一番多いゴミは、タバコの吸い殻です。タバコをなかなかやめられない Sさんに拾ってもらいながら、これを散歩中の犬が拾い食べしたら大変だねと声かけすると、黙って頷いていました。ペットボトルや缶もたくさん落ちていて、「どうしてこんな所に捨てるのだろう?」と、思った人が多かったです。ふと見ると飲料の販売機に容器の捨て場所が無いものが増えていることに気付きました。駅や公園などにもゴミ箱が設置されなくなりました。ゴミ捨て場に持って行くまで、自分でゴミを持っていることが難しい?ゴミを持ち運ぶビニール袋が廃止されてきて手に入りにくいことも理由の一つかもしれません。

この活動を通して、一番大きな成果は、自分たちでゴミ拾いをすることを体験することによって、ゴミをこんな所に捨ててはいけないという気持ちが育って行くことだと気付きました。
私自身、あまりゴミの存在に気が付かなかったのが、今年の2月から、犬を飼い始め、毎朝、毎夕の散歩の時に、落ちているタバコや、マスク、ビニール袋を犬がすぐ咥えてしまい、慌てて口を開けてゴミを引っ張り出さなければならない状況から、ゴミを無造作に捨てる人が、少しでも減っていってほしいと切に願うようになりました。

彼らが一生懸命ゴミを拾う姿に、感謝しつつ、ゴミを捨てる人が本当に少しでも減ってほしい、自分たちの暮らしている街が少しでもきれいで過ごしやすい場所になってほしいと願わずにはいられません。

毎日の犬の散歩でも、ゴミ拾いをしてゴミ袋を犬に引いてもらい、ゴミ拾い犬に育てて、我が家のワンちゃんも、誰かのために、何かの役に立つ「われもこう」のようになってほしいと思い始めました。

吉田 由紀子

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