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“われもこう”の想い その13「心の鐘コンサート」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和2年11月30日 その13「心の鐘コンサート」

 

11月27日、第23回心の鐘コンサートが無事終了しました。一席ずつ空けての入場制限でしたが、ほぼ満席となりました。ご来場頂いた方がたには、本当に感謝の気持ちで一杯です。今年は、コロナ禍のため、コンサートの開催自体も危ぶまれ、3月4月は、練習を中止しましたが、5月から少人数で来れる人だけを対象に午後4時から毎日練習だけは続けてきました。6月に入り、今までなら土日曜日の練習日に、50人を一度に2時間の練習で済んだのが、5、6人ずつ、朝9時半から4時まで一日がかりの練習になりました。楽譜を読めない彼らに新しい歌を教える時は、こちらが歌って伝えていくしかありません。要するに一日中歌っていることになります。練習が終わると声も枯れ、疲れきってしまいます。

 

でも、少人数の指導にしたお陰で一人ひとりの課題も見えてきて丁寧な指導ができたというメリットもありました。もっとコロナが蔓延してしまったらコンサートどころではないということも予測して、無観客でも開催し配信して、彼らの声、想いを届けようと強く思い、練習を続ける原動力になりました。

そんな思いを抱きながら今日の日を迎えました。開催すべきかどうか悩みましたが、彼らの元気な歌声、姿、パワーを届けることができて本当に良かったと、終演の片付けが終わり、空っぽになった舞台を眺めながらしみじみと感じました。

今年のテーマは、オリンピックが東京で開催される年だからということで、「世界を一つに」にしようと、いつもの彼らの活発な話し合いの中から決まりました。でも、オリンピックも来年に延期?開催も危ぶまれる事態になりました。それでも、テーマに沿った曲の練習に取り組んできました。新しい曲を覚えるのに、全員で練習すると歌えている人に釣られて何となく覚えていっていたのが、少人数の練習では、一人ひとりが歌える様にならなければ声も聞こえてこないという状況が続きました。一人ひとりの力は小さくても、全員の声を合わせるから、人に感動を与える大合唱になっていたのだとつくづくわかりました。本番直前のリハーサルまで、全員で歌うことがなく、練習中は、数人ずつの心細い声にどうなることやらと思いました。リハーサルで、今年初めて全員で歌うことができました。いつもに比べお互いが離れているので隣の人の声が聞こえにくく、自信無さ気に歌っているのかなと思いましたが、本番の合唱では、いつもの熱唱ではなく男女のバランスよくきれいに聞こえたとお客様からのアンケートにもありました。

ひょっとして今までより、個別に指導でき、練習は大変だったけど一人ひとりの質が上がったかな?コロナのお陰かな?とまで思いました。

 

ともかく、コロナ感染患者数が日々増えている中、多数の方々にご来場頂き本当に感謝しています。あと2週間、ご来場頂いた方々から、発熱、その他の症状が出ないことを願うばかりです。不要不急の一つと言われてしまいがちなコンサートですが、障害があっても、努力を続ける姿を発信していくことの大切さを今回は今まで以上に感じました。

二部でお呼びした式町水晶さんも、まさにチャレンジャーで、小脳が半分しかなく、手指が動きにくいために、バイオリンを始めたこと、10年前まで車椅子生活だったこと、ご自身で語りながらの演奏は圧巻でした。障害がある故に努力して生きているチャレンジャーの姿を発信していくことの大切さを今回、いつも以上に感じました。

コンサートを開催でき、私自身、この一瞬、一瞬にできることをして一生懸命生きていく〜それしかない。と彼らとの関わりの中でそんな思いが熟成されていきました。コンサートが終わり、とても心が元気になり、自然免疫力も上がったかな?コロナ感染もなんのその?生きるパワーで全身が元気になりました。又、私のやるべきことを、日々、コツコツとやっていこうと思っています。

吉田 由紀子

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