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“われもこう”の想い その3「余暇活動の大切さを」

われもこうの花は小さい
だから誰も振り向かない
誰も気がつかない
でも、われもこうは
誰かのために 何かをしたいと
ずっと願ってる
私も、障がいのある彼らも
ただの人間
天使でも悪魔でもない
ただの人間
目立たない花だけど
力一杯咲き切りたい

令和2年7月13日 その3「余暇活動の大切さを」

緊急事態宣言は解除され、会社も学校も普通に始まった感がありますが、7月に入り5月よりもコロナ感染者の数は増え続け、今後の行事をどうしたものやらと悩んでいる時に、グループホームの人たちの中には、「今度の日曜日池袋に行きたい」という人もいます。「今はコロナが増え続けているから池袋、新宿はやめておきましょう」と言うと、「原宿ならいいでしょ。原宿に行きたい」と言ってくる寮生がいました。「人が集まる所は密になるからやめておきましょう」と言うと、「行く所がなくなってしまう」と不機嫌になり、塞ぎ込んで返事もしてくれなくなってしまいました。

楽しみにしていることを禁じられた時の惨めな気持ち!私も同じような気持ちになることがあるから、本当にわかる!でも、今はね。と言ってもなかなか切り替えられない彼らの気持ちをどうしてあげたものやらと悩む日々が続いています。

余暇をどう過ごすか?非常に大事な問題だと思いますが、就労や生活に対する給付費に比べ、日中一時支援などに対する給付費の低さ!今年度、この制度が始まって以来?8単位上がり、一回お預かりすると1390円になりました。少しずつ必要性が認識されてきたかなと思われますが、まだまだ、就労し、生活をしていくことから見ると余暇の充実は、国として重要とは捉えられていないと感じています。同じ人をお預かりすると発達では、約8000円、就労では、都加算など含めると、約6000円とまだまだ差が大きいです。まず、仕事して食べていかなければならないので致し方ないことかもしれません。

音楽や芸術活動などの余暇活動は不要不急と括られてしまいます。

4月から日中一時支援のひだまりの活動もやむなく休止していました。7月から密を避けて、分散して活動を再開し、昨日、久々の社会学習教室を開きました。三つのグループに分け、それぞれ10人前後でしたが、久しぶりの活動に、10分前より早く来ないでくださいと知らせておいたのに、2時間も早くきてしまった人もいて、本当に楽しみにしていたようです。欠席者は2人だけでした。コロナをテーマに話し合いましたが、自分の会社の状況やニュースで知り得たことを口々に話したくて仕方ないという感じでした。

よくニュースも見ていて、日々の東京都の感染者数もよく覚えていてどのグループでも、正確に人数を得意気に言う人がいました。

そんなにニュースに関心を持ち、ビックリするほどいろいろなことを知っている彼らでも、手洗いの大切さを話し、手指の名称を聞いていくと、ほとんどの人が???

手の平、甲、指の間、爪の間、一本ずつの指、手首を10回ずつ洗う手順を説明しながら名称を確かめていきました。企業就労できないレベルの人の方が、日中活動で通っている場所で丁寧に教わっているためか、比較的よくわかり、洗う手順の手の動きも慣れていました。企業就労しているレベルの人たちは、逆に教わる機会も少ないのかもしれません。意外なほど知らない、できない状態でした。

ともかく、久々に仲間に会えて、嬉しそうに発言して、配られたプリントに頭を抱えながらも書くことに取り組んでいる姿に、余暇活動の大切さをしみじみと感じました。

人は、働いて生活するだけでは幸せになれない。仕事以外の関わりや楽しみが、人生を豊かにしてくれるのだということを彼らが教えてくれました。

又、音楽教室も、5人ずつ、フェースシールドをつけてもらい、練習再開しましたが、一人で歌うのではなく、人と一緒に歌う楽しさを本当に味わっていると感じました。普段の教室では、50人以上の声が合わさって(特に通常の合唱団より、音符以外の音を出している人が多く、音の幅があり)重厚な彼らの合唱の声に耳慣れているので、合わさった声の魅力に優るものはないと感じました。一日でも早く、通常の全員で歌えるようになってほしいと願っています。でも、少人数指導をしてみて、丁寧に一人ひとりに合わせた指導ができていなかったことにも気がつきました。一人ひとりの状態に合わせて丁寧に教えると今までできないと思っていたこともできるようになる!という実感です。これは、ダンスクラブを担当している職員も同じ実感を持ったと話してくれました。

音楽クラブもダンスクラブ、手話クラブも、当面は8月2日に予定している音楽交流フェスタに向けて練習しています。

吉田 由紀子

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